一人ひとりの社員がいかに力を発揮していくことができるか。より創造的で自律性の高い環境づくりは、企業の発展に欠かせない問題であり、変革期のユーコーにおいても大きな課題の一つでした。私が入社した21年前は、毎日人が入っては辞めていくという状態で、ビジョンや価値観を共有する人材を育成していくことが難しい状況でした。そこでお客様へのサービスの向上や、企業として経営体質の強化を図っていく上で、人事戦略改革の一つとして始めたのが大学生の新卒定期採用だったのです。
当時はホール業界で新卒定期採用を行っている会社はほとんどなく、初めはなかなか思うように人が集まりませんでした。実際の採用現場では「この会社なら人生をかけられる」と思わせるもの、いうなれば企業そのものの価値が問われてきます。そのためキャリアプランの整備、福利厚生の充実など内部的な改革に取り組みながら、ユーコーという企業の姿勢や考え方を根気よく訴え続けていきました。それに共感してくれる人たちが徐々に集まり出し、採用した人たちが育って活躍していくことで、新たな人材獲得につながるようになっていったのです。

橋口 芳和 (はしぐち よしかず)
人事課長
今では多くの大学新卒社員がマネージャー職に就任し、企業経営の中核を担っていくようになりました。実際にユーコーでは、パチンコの経験がない人も多く入社してきますが、店舗運営においては遊技台などの知識だけでなく、人を適切に活用し導いていく統率力、情報の収集・分析力、営業戦略の企画・立案力など、幅広い視野に立った経営者としての総合的な力が求められます。
そこで私たちが求める人物像としては、物事の道理と他人の気持ちがわかる知性と、自分を律することのできる品性のある人。さらに志と遊び心、繊細さと大胆さ、野心と誠実さを併せ持つ「人間力」の大きな人です。“遊びをプロデュースする”仕事だからこそ、豊かな知性だけではなく「楽しむ、楽しませる」ための感性を併せ持つ深い人間性が必要とされるのです。採用活動の中では、人事担当者をはじめ実際に店舗で働いている社員も多数参加していますが、そこで大きな力を発揮しているのも「こういう人が活躍している会社で働いてみたい」と思わせる社員の人間的な魅力の部分であったりするのです。

ユーコーでは各店舗のマネージャーに店舗経営におけるほぼ全ての権限を託しています。それは各市場商圏に合った営業的・経営的指針を、スピーディーに効率良く打ち出していくとともに、主体的に店舗運営を考えて、経営感覚を培っていく機会を与えるためでもあるのです。何より自ら思考し、提案し、行動できる自主性を重視しています。人は認められ、期待されることで意欲を高め、物事を成し遂げていくものです。仕事を遂行していく上では、人を管理、統制していくというだけでは限界があります。
これからの人事政策としても、より密に現場に接し、社員の声に耳を傾け、人事労務部門が従業員への「サービス提供部門」へ発展することを目指していきたいと思っています。人材を代替可能な「人手」から「資源」や「資産」と考えるレベルに高め、発掘・育成してきたことは、一定の成果は出ていると思いますが、今後もさらに社員一人ひとりが価値を生み出していくための仕組みを強化し、知識や知恵によって差別化を図れる組織へ一層の変革を果たしていくことが人事・マネジメントにおいても重要な課題だと考えています。